「恥をかく勇気を持て」
 
 どんな時でも前進していく勇ましさ・・・動いてさえすれば展開が見えると信じている私には、ふさいだ気持ちの時にポンと背中を押してくれる、素晴らしい言葉です。

 ところが武士道によれば、勇気には静止状態をあらわす平常心があり、ただ動いていればいいというものではないとか。
 私にとって平常心とは、何が起きても自分を見失わず、堂々と構えていられる状態。それは人間として最上の状態であり、生涯を通じて目指してみたい目標でもあります。

 けれども、 「いずれはそんな風に出来たらいいだろうなぁ」 こうやって、のんびりと構えているだけでは乗り切れない場面が結構多いのです。

 たとえば人前で話す時。指導中に、専門用語や漢字の読み方や筆順をド忘れしてしまった時。
 オロオロしているのを見破られてはカッコ悪いので、何事もないような顔をし、緊張の場面を何度しのいだことか・・・。平常心を保っているフリをすることが多々あります。

 果たして平常心はフリだけでも効果があるのでしょうか?
 いいえ、徳川光圀は「生きるべきときに生き、死ぬべきときに死ぬことこそ、真の勇気なのである」と言いました。
 生きるの死ぬのなんて、ちょっと大げさですが、私なりに解釈したのは「苦手なことは苦手と、腹をくくってカミングアウトできる勇気」。

 オロオロしても良いのです。でも、それを無理に隠して平気な顔でいることは平常心でも勇気でもありません。「苦手です」「忘れました」と恥をしのんで言う勇気も、自分らしく生きていくうえで大切なことだと学んだのでした。そういえば、私の師匠も「恥をかけ!」と言っておりました。

HOME
記事の無断転載及び複製はご遠慮願います。
2002-2007 Copyright (C) Shurei. All Right Reserved